【板前の修行】一人前になるまでの期間と5つのステップ

「板前になりたいけど修行ってどのくらいかかるの?」

「どんな道のりなの?」

和食の世界に憧れている人であれば、このような疑問をもっているのではないでしょうか。

板前和食料理人の花形でもある板前になるまでの道のりは長く、忍耐強さが求められます。

見て覚えるが基本だった昔は「一人前になるまで10年」と言われていましたが、

近年では専門学校で十分なスキルを身につけてから現場にでることができたり、

分業化により特定の業務に集中して短期間で習得できるため

2〜3年で一通りの技術を身につけることも可能になっています。

そのため「一人前になるには長期間かかるし厳しい」という板前修行の印象は大きく変化しているのです。

本記事では、飲食業界に特化した正社員求人サイトを運営するグルスタが、板前として一人前になるまでの期間や修行の流れを解説し、早く成長するためのコツも紹介します。

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【板前】和食を支える職人

「板前」とは、まな板の前に立ち、料理をする和食の料理人のことを指します。

主に 割烹や料亭、和食専門店 で働き、四季折々の食材を活かした美しい料理を作るのが仕事です。

調理だけでなく、お客様との接客や料理の提供も板前の大切な役割となります。

板前と似た職業に寿司職人や天ぷら職人がありますが、寿司や天ぷらなど特定の料理に特化した料理人のことをいいます。

日本料理全般を担当する板前とは異なります。

板前になるためには、学歴や職歴は問われません。

重要なのは、以下のような要素です。

  • 忍耐強くコツコツと技術を磨ける人
  • お客様の喜ぶ顔を見るのが好きな人
  • 料理の知識や技術を学ぶ意欲がある人

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▽板前になりたい!!!夢を実現するためのステップを解説

板前の修行は5つのステップがある

ユネスコ無形文化遺産に登録されていて世界的にも評価されている日本の伝統料理の板前になるためには、和食の知識と技術を網羅する必要があるため、資格よりも現場での修業が重視されます。

和食は、四季を感じる食材を活用し、見た目にもこだわり美しい盛り付けをするのです。

そのため、料理の基礎を学ぶだけでなく、現場のスピード感や職人の心構えを身につけるために、下積みからじっくり経験を積んでいきます。

修行のステップは 大きく分けて5段階 あり、これらを順番に経験しながら技術を磨いていきます。

板前修行では、日本料理の基本技術である「調理五法(生・煮る・焼く・揚げる・蒸す)」を習得しながら、 以下の順番のように「追い回し」から「板場」 へとステップアップしていきます。

ステップ期間主な業務習得する技術・心得
①追い回し(下積み)1〜3年掃除・洗い物・食材の下処理・まかない作り料理の基礎、仕事の段取りを学ぶ
②八寸場(盛り付け)1〜2年料理の盛り付け・切り分け美しい盛り付けの技術、食材の扱い方
③焼き場(揚場)2〜3年焼き物・揚げ物の調理火加減の調整、素材の旨味を引き出す技術
④蒸し場2〜3年出汁づくり・味付けの調整・若手の指導味の決め手を学ぶ、臨機応変な対応力
⑤板場(トップ)3〜5年魚のさばき・刺身の調理・接客カウンター業務、調理と接客の両立

①追い回し(下積み)

追い回しは、板前を目指す上で一番初めの段階です。

ここでは、まだお客様に提供する料理を作ることはありません。

裏で掃除や洗い物などの雑用を担当します。

この期間に衛生管理や包丁さばき、気遣いなどを、真似することが成長に繋がります。

教えてもらうだけでなく、先輩たちの動きを見て真似ることで成長スピードも上がるでしょう。

また、先輩たちのまかないを作るのも追い回しの仕事です。

まかないにこだわりをもって丁寧につくると、最終的には先輩たちから評価を得られる場合もあるでしょう。

そのため、まかない作りを自分の技術をアピールする場として活用することができるのです。

業務内容

  • 掃除、洗い物、器の準備
  • 野菜の下処理、食材の仕込み
  • まかない作り(先輩に認められるチャンス)

心得

  • 先輩をみて、段取りを覚える
  • まかないを通じて技術を磨く

②八寸場(盛り付け)

八寸場は、先付けや前菜、口取りなどの盛り付けを担当する人のことをいいます。

先付はお客様が来店して、最初に口にするものなので、店の第一印象ともいえるものでもあります。

お客様に提供する料理の仕上げを任せてもらえますが、追い回しと同様に本格的には包丁は持たせてもらえません。

しかし漬物を均等なサイズに切り分けたりする、簡単な作業は任せてもらえるので、まずは少しずつ技術を磨いていくことが重要です。

業務内容

  • 料理の盛り付け・切り分け

心得

  • 和食は見た目が命であるため、先輩の盛り付けを観察し、真似することが大事
  • スピードやタイミングを身につける必要がある
  • 先輩や料理長の盛り付け見本に従い、盛り付けの基本的な色彩感覚を養う

③焼き場(揚場)

焼き場は、焼き台や炭火を使った焼き物、てんぷらなどの揚げ物など加熱調理を担当します。

追い回しと八寸場の期間を経て、やっと料理を任せてもらえるようになるのです。

焼け目を綺麗につけて、料理の美味しさを引き立たせることが求められます。

業務内容

  • 焼き物や揚げ物を担当

心得

  • 火加減の調整が腕の見せどころ

④蒸し場(煮方)

蒸し場では、蒸し物の担当と味付けを任されます。

すべての料理の味付けを担当し、チェックすることが役目です。

味付けでその店の印象が決まるので、板前よりも重要視されることもあります。

業務内容

  • 出汁づくりや料理の味付け
  • 若手の指導

心得

  • 突発的な変更にも対応できる柔軟性を養う

⑤板場

板場は、お刺身を担当する和食料理で最も重要なポジションです。

カウンターのあるお店では、お客様の前で刺し身を切りつけることも多いので、所作に気をつけながらの接客も大切な役目です。

主な担当は刺し身の切りつけですが、先付・八寸・お吸い物などに使う鮮魚の切りつけも担当します。

業務内容

  • 魚をさばき、刺身を作る
  • カウンターでの調理と接客

心得

  • 人前での調理スキルを磨き、お客様との会話を楽しむ

板前の修行│一人前になるにはどのくらいの時間がかかるのか

昔は「板前になるには10年かかる」と言われていましたが、現在は 2〜3年 で一人前になることも可能です。

昔は下積み期間が長く、数年間は包丁を握ることさえ許されないことが当たり前でした。

しかし現在は、最初から調理に関わる機会を与えられることが多く、スピード感を持って成長できます。

特に和食レストランやホテルでは、マニュアルや指導体制が整っているため、短期間で技術を習得しやすくなっています。

しかし今でも、老舗の料亭では10年の修行期間が必要な場合もあるので、働く場所によって異なります。

個人経営の店では、職人が少ないため 「早く育てて、即戦力にしたい」 という意識が強く、早くから実践を積ませてもらえます。

一方で、大型店舗では 階層が多く競争が激しいため、時間がかかることもあります。


【早く一人前になりたいあなたへ】修行先ランキング

板前としての成長スピードは、どこで修行するかによって変わります。

伝統的な老舗の料亭でじっくり技を磨くのか、実践的なレストランで早く現場に立つのか、またはホテルで幅広い経験を積むのかで変わります。

また、それぞれにメリットとデメリットがあります。

ここでは、早く一人前になるためにおすすめの修行先をランキング形式で紹介します。

あなたに合った環境を選び、最短ルートで板前を目指しましょう。

1位:老舗の割烹・料亭(おすすめ度★★★★★)

昔ながらの厳しい修行スタイルですが、本格的な技術がしっかり身につくのが魅力です。

包丁さばきや出汁の取り方、美しい盛り付けなど、和食の基本をじっくり学べます。

ただし、最初は掃除や洗い物からスタートし、調理を任されるまで時間がかかることが多いので、厳しい環境に耐えながら、根気よく技術を磨ける人に向いています。

▶ こんな人におすすめ!

  • 和食を極めたい人
  • 将来、自分の店を持ちたい人
  • 厳しい環境でも頑張れる人

2位:和食レストラン(おすすめ度★★★★☆)

比較的入りやすく、すぐに調理の仕事に関われるのが和食レストランの魅力です。

仕込みや盛り付けを任される機会が多く、実践的なスキルを短期間で身につけられます。

ただし、基礎をじっくり学ぶ時間が少なく、職場によっては技術レベルに差があるため、どの店を選ぶかが重要になります。

▶ こんな人におすすめ!

  • 早く調理の仕事をしたい人
  • 飲食未経験でも挑戦したい人
  • 実践的なスキルを身につけたい人

3位:ホテルの和食部門(おすすめ度★★★☆☆)

安定した環境で、和食だけでなく幅広い調理経験を積めるのがホテルの和食部門の特徴です。

宴会料理やコース料理を学べることもあり、大きな現場で働きたい人に向いています。

ただし、大規模な組織のため下積みが長くなりやすいというデメリットもあります。

接客よりも調理を専門にしたい人には向いている環境です。

▶ こんな人におすすめ!

  • 安定した職場で働きたい人
  • 和食だけでなく、幅広い料理を学びたい人
  • 将来、ホテルやレストランの料理長を目指したい人

まとめ│自分に合った修行先を選び、板前への道を進もう!

板前の道は決して楽なものではありません。

毎日の仕込みや下積みを経て、ようやく包丁を握れるようになるので、厳しい指導や体力的な負担を感じることもあるでしょう。

しかし、一流の技術を身につけた板前は、どこへ行っても通用する力を持つ職人です。

和食の繊細な技術、四季を感じる美しい盛り付け、お客様との距離が近い接客など、板前の仕事には他の職種にはないやりがいがあります。

そして、その経験は一生の財産になります。

だからこそ、大切なのは「自分に合った修行先を選ぶこと」です。

  • 本格的な技術をじっくり学びたいなら老舗の割烹・料亭で伝統的な技術と職人の心構えを徹底的に学べる環境がいいでしょう。
  • 実践的なスキルを短期間で身につけたいなら和食レストランで、すぐに現場で調理できる機会が多く、スピード感を持って成長できる環境がおすすめです。
  • 安定した環境で幅広い経験を積みたいならホテルの和食部門で、大規模な環境で多様な料理に触れながら確実に技術を磨くことが向いているでしょう。

どこで修行するかは、あなたの成長スピードを左右する重要な選択です。

「自分はどんな板前になりたいのか?」 を考えながら、最適な修行先を選びましょう。

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