調理師として転職を成功させるには、自己PRが必要です。
ただし「どんな内容を書けばいいのか」
「経験が浅い場合はどうアピールすればいいのか」と悩む人も多いでしょう。
本記事では調理師の自己PRを作成する際のポイントや例文を紹介します。
自己PRはスキルや経験を的確に伝え、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせるものです。
そのためには、結論ファーストでわかりやすく構成することが大切です。
経験者・未経験者それぞれに向けた具体的な自己PR例文を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
これを読めば、あなたの強みをしっかりアピールできる自己PRが作れるようになります。
まずは、自己PR作成の基礎知識から見ていきましょう。
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自己PRの作成時に知っておくべき基礎知識
自己PRは、単なる自己紹介ではありません。
採用担当者に「この人なら活躍できそうだ」と思わせるためのアピール文です。
ポイントは「何ができるのか」「それがどう役立つのか」を明確に伝えること。
また、自己PRの内容が志望先の求める人物像と合致していることも重要です。
例えば、ホテルの調理師なら「高級食材の扱いに慣れていること」、給食センターなら「大量調理の経験があること」など職場に合ったスキルをアピールしましょう。
未経験者の場合は、これまでの経験の中から調理に活かせる能力を見つけるのがポイントです。
段取り力や衛生管理の意識、チームワークの経験などが該当します。
【自己PR作成】基本的な構成
自己PRを書く際には、読みやすく論理的な構成にすることが大切です。
代表的な構成方法としてPREP法とSTAR法があります。
PREP法を使えば自己PR全体を論理的かつ簡潔にまとめることができます。
またSTAR法を活用すると強みを示すエピソードを具体的に描写することができ、説得力が増します。
採用担当者は自己PRから「この人と一緒に働きたい」と思えるかどうかを判断します。
自身の経験やスキルを適切にアピールできるようにPREP法とSTAR法を活用して、魅力的な自己PRを作成してみてください。
PREP法(自己PR全体の構成)
PREP法は結論を先に述べ、その根拠や具体例を示して納得感を高める文章構成のことです。
- 結論(Point)
- 理由(Reason)
- 具体例(Example)
- 活かし方(Point)
結論(Point):自分の強みを端的に述べる
まず最初に、自分の強みをシンプルに伝えます。
結論を最初に書くことで採用担当者が「何をアピールしたいのか」を瞬時に理解できるため、印象に残りやすくなります。
例文(調理師・レストラン)
「私の強みは、スピードと正確性を兼ね備えた調理技術です。」
例文(調理師・給食センター)
「私は、大量調理の現場でもミスなく効率的に作業を進める段取り力が強みです。」
理由(Reason):その強みがある理由を説明
次になぜその強みを持っているのかを説明します。
強みが培われた背景を伝えることで、説得力が増します。
例文(調理師・レストラン)
「調理場では時間との勝負が求められるため、食材の下処理や仕込みの段階から常に効率を意識し、作業スピードと正確性を磨いてきました。」
例文(調理師・給食センター)
「1日500食以上を提供する職場で、限られた時間内に適切な手順で調理を進める経験を積んできました。」
具体例(Example):強みが活かされたエピソードを紹介
次に、実際にその強みを発揮した具体的なエピソードを紹介します。
この部分が自己PRの説得力を高めるポイントです。
例文(調理師・レストラン)
「特に週末のディナータイムには注文が集中し、一度に10品以上の調理を同時に進めなければならない状況が 多々ありました。私は料理ごとの優先順位を即座に判断し、調理の流れを工夫することでミスなくスムーズに提供することができました。」
例文(調理師・給食センター)
「ある日、急な人手不足により、通常3人で行う作業を2人でこなす必要がありました。
私は事前準備を徹底し作業の流れを見直すことで、予定通りの時間内に全ての食事を提供することができました。」
活かし方(Point):入社後にどう貢献できるかを示す
最後に、入社後にその強みをどう活かして貢献できるのかを述べます。ここが明確だと、採用担当者に「この人は戦力になりそうだ」と思ってもらいやすくなります。
例文(調理師・レストラン)
「このスピードと正確性を活かし、貴店でも円滑な厨房オペレーションに貢献したいと考えています。また、後輩の指導にも力を入れ、チーム全体の作業効率向上にも貢献したいです。」
例文(調理師・給食センター)
「この段取り力を活かし、貴施設でも限られた時間内で高品質な食事提供を行い、利用者の満足度向上に貢献したいと考えています。」
STAR法(エピソードの具体的な書き方)
自己PRに説得力を持たせるためには、エピソードを具体的に描写することが大切です。
その際に役立つのがSTAR法です。
STAR法を使うことでエピソードが簡潔かつ明確になり、採用担当者に伝わりやすくなります。
- 状況(Situation)
- 課題(Task)
- 行動(Action)
- 結果(Result)
状況(Situation):エピソードの背景
まず、エピソードが起こった状況を説明します。どのような環境や状況でその出来事が発生したのかを明確にします。
例文(ホテルの調理師)
「私は、ホテルのレストランで調理師として勤務し、ディナータイムのコース料理の提供を担当していました。特に週末は予約が多く、一晩で100人以上のお客様に料理を提供する必要がありました。」
課題(Task):達成すべき目標や直面した課題
次に、その状況で求められた目標や自分が直面した課題について説明します。
例文(ホテルの調理師)
「ある週末、大規模な団体予約が入り、通常よりも短時間でコース料理を提供する必要がありました。しかし、厨房スタッフの一人が急遽欠勤し、人手不足の状態でした。」
行動(Action):具体的にどのような行動を取ったか
この部分が最も重要です。
どのような行動をとり、どのように課題を解決したのかを具体的に説明します。
例文(ホテルの調理師)
「私は、オーダーが入る前に事前にできる仕込み作業を見直し、調理時間を短縮する工夫をしました。また、スタッフ間で役割分担を調整し、効率よく作業を進められるようにしました。その結果、通常よりも少ない人員でスムーズに料理を提供できました。」
結果(Result):結果や学んだこと
最後に行動の結果としてどのような成果が得られたのか、またはそこから何を学んだのかを説明します。
例文(ホテルの調理師)
「結果として、予定通りに全ての料理を提供することができ、お客様からも『スムーズに料理が提供され、楽しい時間を過ごせた』と高評価をいただきました。この経験を通じて、限られた時間の中で適切な判断を下し、効率的に調理を進める力が身につきました。」
【自己PR】作成のポイント
自己PRをより魅力的にするために、以下のポイントを押さえましょう。
- 結論から書く
- 強みの裏付けとなるエピソードをいれる
- 今後の展望やチャレンジを入れる
- 内容を具体的に書く
- 志望先との適性を示す
- 嘘の情報や誇張したエピソードを書かない
結論から書く | ダラダラ書かずに「私の強みは◯◯です」と明確に伝える |
強みの裏付けとなるエピソードを入れる | 抽象的な表現ではなく具体的な体験を記述する |
今後の展望やチャレンジしたいことを書く | 成長意欲が伝わると好印象 |
内容を具体的に書く | 「料理が得意」→ 「フレンチの前菜を得意とし、3年間で50種類以上のレシピを考案」 |
志望先との適性を示す | 応募先の特徴にあったスキルや経験を強調 |
嘘の情報や誇張したエピソードを書かない | 面接で突っ込まれる可能性が高い |
調理師の自己PR例文
調理師の自己PRは、職場の特性や自身の経験に応じて書き分けることが重要です。
ここでは職種別およびアピールポイント別に分けた自己PRの例文を紹介します。
経験者・未経験者のそれぞれに合った表現を参考にしてください。
【職種別】調理師自己PR例文
保育園
経験者
「子どもたちの食育を大切にしながら、安全で美味しい食事を提供することを心がけています。
5年間の勤務を通じてアレルギー対応や食育イベントの運営も経験しました。」
「栄養バランスを考えた献立作成や調理を行い、食べる楽しさを伝えています。
保護者や保育士と連携し子どもたちの健康を支えられるよう努めています。」
未経験者
「これまで飲食店で調理を担当していましたが、子どもたちの成長を支える仕事に携わりたいと思い保育園の調理師を志望しました。
安全な調理と栄養バランスを考えた食事提供を目指します。」
「前職では接客業に従事し、食に対する興味を持つようになりました。
保育園では子どもたちが食べやすく、楽しめるような調理に挑戦したいと考えています。」
レストラン
経験者
「イタリアンレストランで5年間勤務し、前菜とパスタの調理を担当しました。
特に手打ちパスタの技術を磨き、オリジナルメニューの開発にも携わっています。」
「和食の調理経験が8年あり、素材の活かし方や出汁の取り方にこだわりを持っています。
お客様に本格的な和食の魅力を伝えられるよう努めています。」
未経験者
「これまで営業職を経験しましたが、料理への情熱を活かし飲食業界でのキャリアを築きたいと考えています。
未経験ではありますが日々の料理作りで培った段取り力と研究熱心さを活かし、一人前の調理師を目指します。」
「接客業の経験を活かしお客様のニーズを意識した料理作りを学びたいです。
基礎からしっかり技術を習得し、即戦力として貢献できるよう努力します。」
ホテル
経験者
「ホテルレストランで7年間勤務しフレンチの調理全般を担当してきました。
特にコース料理の提供において、スピードと美しさの両立を心がけています。」
「海外のホテルでの勤務経験を活かし、多国籍のお客様にも喜ばれる料理を提供してきました。
今後はより洗練された技術を磨き、ホテルの価値向上に貢献したいと考えています。」
未経験者
「前職でイベント運営を経験しホテルの料理提供に興味を持ちました。
調理の経験は浅いですが、チームで協力しながら質の高い料理を提供できるよう努力します。」
「カフェでの調理補助経験を活かし、ホテルレストランの洗練された料理を学びたいと考えています。
基礎からしっかりと技術を身につけ長く活躍できる調理師を目指します。」
【経験者未経験者別例文】アピールポイントを紹介
調理師の自己PRでは経験者だからこそ、アピールできるポイントと未経験者でも活かせるスキルを意識することが重要です。
ここでは、それぞれの強みを具体的に紹介します。
経験者
段取り力
「調理場では限られた時間の中で多くの料理を提供する必要があります。
私はオーダーが入る前の仕込みを徹底し作業効率を向上させることで、スムーズな調理を実現してきました。」
マルチタスク能力
「レストランのディナータイムでは、一度に複数のオーダーが入ることが多く、調理・仕上げ・提供を並行して行う必要があります。私は作業の優先順位を考えながら対応することで、スムーズなサービス提供に貢献してきました。」
未経験者
思いやりの力
「前職では介護職に従事し、高齢者の方々と接する機会が多くありました。
食事が日々の楽しみの一つであることを実感し、今後は調理の面から支えたいと考えています。」
物事を多面的に見る力
「前職では販売業に携わり、お客様の好みやトレンドを分析することを意識していました。
調理の現場でも食べる方の気持ちを考えながら、美味しさだけでなく見た目や食べやすさにも配慮したいと考えています。」
これだけは避けて!NGな自己PRの例文
自己PRが上手にかけていると、採用担当者にあなたのことがしっかりと伝えることができ、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえることが多いです。
しかし伝え方を間違えると逆効果になることもあります。
事前に避けるべきNGな自己PRの例を知っておくことが重要です。
- 抽象的すぎる表現(例:「料理が得意」「やる気があります」→具体性がない)
- 前職の悪口を書く(例:「前の職場は人間関係が悪かった」→印象が悪くなる)
- 話が長すぎる(端的に伝えることが大切)
- 企業に合わないアピール(応募先のニーズと合っていないと評価されにくい)
❶ 抽象的すぎる表現
NG例:
「料理が得意です。やる気があります!」
何がどのくらい得意なのか、どんな場面でやる気を発揮したのかが伝わらないです。
以下のように具体的な経験や成果を盛り込むことで説得力が増して、あなたのよさが伝わります。
改善例:
「前職ではイタリアンレストランで3年間勤務し、パスタの調理を担当しました。
特に手打ちパスタの技術を磨き週替わりの限定メニューを考案し、お客様からご好評をいただきました。」
❷ 前職の悪口を書く
NG例:
「前の職場は人間関係が悪く、評価も不公平でした。」
ネガティブな印象を与え、「この人も職場の不満を言うのでは?」と思われる可能性があります。
ポジティブな言い方に変えるだけで、印象が大きく変わります。
改善例:
「チームワークを大切にしながら働ける職場を探しています。
前職では難しい状況もありましたが、お客様の満足を第一に考え常に前向きに業務に取り組んでいました。」
❸ 話が長すぎる
NG例:
「私は小さい頃から料理が好きでよく家族に手料理を振る舞っていました。学生時代には飲食店でアルバイトをしそこで料理の楽しさを学びました。
その経験を活かして○○レストランに入社し、3年間勤務しました。
最初は慣れないことも多く失敗もありましたが、上司の指導のもと少しずつ技術を身につけました。
特にパスタの調理を得意とし新しいメニューの考案にも挑戦しました。」
情報が多すぎて焦点がぼやけているので、端的にまとめることで伝わりやすくなります。
改善例:
「前職の○○レストランでは3年間勤務し特にパスタの調理技術を磨きました。
新メニューの考案にも携わり、お客様からの評価もいただきました。」