求人票やニュースでホールスタッフという表記が増える一方、店舗によってはウェイトレスという言葉も使われています。
この2つは同じ仕事を指すのか気になる方もいるでしょう。
結論から言えば、業務内容そのものに違いはなく、違うのは呼び方だけです。
ウェイトレス・ウェイター・ホールスタッフという言葉の関係や語源、「ウェイトレスは差別用語なのか」という疑問まで、言葉の意味をもとに解説します。
ウェイトレス・ウェイター・ホールスタッフは何が違う?
まずは、ウェイトレス・ウェイター・ホールスタッフの違いを解説します。
業務内容そのものに違いはなく、異なるのは呼び方です。
ウェイター・ウェイトレスの違いは性別
ウェイターとウェイトレスの業務内容は、お客様の案内、オーダーの受付、料理やドリンクの配膳、会計、テーブルのセッティングなどです。
違いは働く人の性別で、男性スタッフをウェイター、女性スタッフをウェイトレスと呼びます。
給与体系や求められるスキルに差があるわけでもありません。
また、フレンチやイタリアンの店ではギャルソンという呼称が使われることがあります。
これはフランス語で本来「少年」を意味する言葉で、日本語でも主に男性の給仕に使われる呼び方です。
ホールスタッフ・フロアスタッフは性別を問わない総称
一方のホールスタッフやフロアスタッフは、性別に関係なく、飲食店の客席エリア(ホール/フロア)で接客業務を担うスタッフ全般を指します。
ウェイターやウェイトレスを含む、性別を問わないより広い呼び方だと考えると分かりやすいです。
近年の求人票では、「ウェイトレス募集」よりも「ホールスタッフ募集」「フロアスタッフ募集」など、性別を問わない表記が使われています。
厚生労働省の正式な職業区分
厚生労働省の職業情報提供サイト『job tag』でも、ホールスタッフ(レストラン)の別名としてフロア係・フロアスタッフ・ホール係・ウエイター・ウエイトレスがあげられています。
つまり、公的な職業分類でも、これらは同じ仕事を指す呼び方として扱われています。
求人サイトや媒体によって検索ワードを複数試してみましょう。
ウェイトレスの語源と歴史
ウェイトレスという言葉がいつから使われているのか、語源をもとに解説します。
ウェイトレスの由来は英語の「wait(待つ)」
waiterは英語の動詞「wait」に、人を表す「-er」が付いた言葉です。
もともと「付き添う人」「給仕する人」などの意味で使われるようになりました。
「wait on」には、「給仕する」「人の世話をする」という意味もあります。
「waitress」は、waiterに女性を表す接尾辞「-ess」を付けた言葉で、actorからactress、hostからhostessと変化するのと同じ形です。
17世紀ヨーロッパのコーヒーハウス文化がルーツ
ウェイターやウェイトレスという職業と呼称が定着した背景には、17世紀のヨーロッパで大流行したコーヒーハウス文化があるとされています。
ロンドンやパリのコーヒーハウスは、単に飲み物を出す場所ではなく、商人や文化人が集まって情報を交換し、議論を交わす社交の拠点でした。
人が集まれば注文が生まれ、それを専門にさばく人が必要になります。
こうして「客席で注文を受け、飲み物や食事を運ぶ」ことを専業とする人々が登場しました。
これが現在の接客職の原型とされています。
日本語でのウェイトレスの使われ方の変遷
日本でウェイトレスやウェイターという言葉が広く使われるようになったのは、昭和期に喫茶店やレストランが普及した頃です。
当時は職業名を性別で呼び分けることが一般的で、看護婦・保母・スチュワーデスなども同じように使われていました。
その後、職業名を性別で分けない表現が広がり、看護師や保育士、客室乗務員など、性別を限定しない呼び方が一般的になりました。
ウェイトレスは差別用語?現代に広がる呼び方の変化
「ウェイトレスという言葉は差別的なのでは」と感じる人もいるかもしれません。
なぜそう感じられるのか、現在どのような呼び方が使われているのかを解説します。
ウェイトレスに違和感を持つ理由
ウェイトレスという言葉そのものが、一般に差別用語とされているわけではありません。
ただし、仕事内容が同じでも、男性はウェイター、女性はウェイトレスと呼び分けることに違和感を持つ人もいます。
仕事と直接関係のない要素が職業名に含まれることで、働く人を区別しているように感じられるためです。
こうした背景から、現在はホールスタッフなど、男女を問わず使える表現が広く使われています。
言葉自体が問題というより、働く人によって呼び方を分ける必要が薄れていると考えるとわかりやすいです。
英語圏で進む「server」への統一
英語圏でも同じ流れです。
特にアメリカでは、性別を問わない「server」が広く使われています。
レストランの求人では「server」が使われることが多く、複数の給仕スタッフを「wait staff」と呼ぶ場合もあります。
waiter/waitressとどちらが正しいというわけではなく、地域や場面によって使われる言葉が異なります。
日本の求人票でホールスタッフが増えている理由
日本の飲食業界の求人でも、ホールスタッフ表記が主流になっています。
理由は大きく2つです。
1つは、応募条件を男女で分けないためです。
男女雇用機会均等法では、募集・採用の対象を性別で限定することは原則として禁止されています。
そのため、「ウェイトレス募集」のように女性だけを募集していると受け取られる表記は避け、「ホールスタッフ募集」などの職種名を使うのが一般的です。
もう1つは、より多くの人が応募しやすい表記にするためです。
仕事内容が伝わりやすく、応募者の幅を広げやすくなります。
ウェイトレスと混同されやすい言葉との違いを整理
ウェイトレスと混同されやすい言葉について、それぞれの意味や違いを解説します。
ウェイトレスとメイドの違い
ウェイトレスは、飲食店で注文を受けたり、料理を運んだりする接客スタッフを指します。
一方、メイドは本来、家庭で家事などを担う女性の使用人を指す言葉です。
日本ではメイド喫茶のイメージが強いため、メイド=飲食店で接客する女性スタッフと捉えられることもあります。
ウェイトレスとメイドは、どちらも人にサービスを提供する仕事ですが、本来は働く場所や仕事内容が異なる別の職業です。
男性がウェイトレスの仕事をする場合の呼び方
ウェイトレスは女性スタッフを指す言葉であるため、男性が同じ業務を担当する場合、本来の使い分けではウェイターと呼ぶことになります。
ただし、これはあくまで言葉のルール上の話です。
実際の求人票や職場では、性別を問わずホールスタッフなどと呼ぶのが一般的です。
飲食店で働くうえで、性別によって任される業務が変わることも基本的にありません。
ウェイトレス・ホールスタッフに関するよくある質問(FAQ)
ウェイトレスやウェイター、ホールスタッフの呼び方や仕事内容について、よくある疑問を解説します。
ウェイトレスとウェイターの仕事内容に違いはありますか?
ウェイトレスとウェイターの仕事内容に違いはありません。
お客様の案内、オーダー対応、配膳、会計、片付けなどの業務内容はまったく同じで、異なるのは働く人の性別だけです。
呼び方の違いを、業務や待遇の違いと混同しないよう注意してください。
ホールスタッフの求人でウェイトレスと書かれていないのはなぜですか?
求人で「ホールスタッフ」の表記が増えている理由の1つは、男女を問わず募集するためです。
男女雇用機会均等法では、募集・採用の対象を性別で限定することは原則として禁止されています。
そのため、「ウェイトレス募集」のように女性だけを募集していると受け取られる表記は避け、「ホールスタッフ」などの職種名を使うのが一般的です。
また、誰でも応募しやすく、仕事内容も伝わりやすいというメリットがあります。
ウェイトレスとホールスタッフの違いを理解しておこう
「ウェイトレス」「ウェイター」「ホールスタッフ」は、呼び方に違いはあるものの、基本的な仕事内容は変わりません。
現在は、性別を問わず使える「ホールスタッフ」「フロアスタッフ」などの呼び方が、求人でも広く使われています。
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