パントリーとは?居酒屋・飲食店での意味と仕事内容をわかりやすく解説

「パントリー」と検索すると、キッチン横の食品ストッカーや収納棚を紹介する住宅関連の記事が数多くヒットします。
しかし、居酒屋や飲食店の求人票に書かれている「パントリー」は、それとはまったく別物です。
飲食店では、厨房とホールのあいだで料理の仕上げや配膳準備を行うスペース、またはその作業を担当する職種を指します。
この記事では、飲食店で働きたい人・すでに働いている人に向けて、パントリーの意味と仕事内容、きついと言われる理由、向いている人の特徴まで解説します。

パントリーとは?居酒屋・飲食店における意味

飲食店における「パントリー」は、住宅の収納スペースとは異なり、厨房とホールの間で料理の仕上げや配膳準備を行うスペース、およびそれを担当するスタッフを指します。
基本的な意味合いを解説します。

パントリーの基本的な意味(配膳室・盛り付けスペース)

飲食業界でパントリーといえば、厨房内、あるいは厨房とホールの境目に設けられた配膳・盛り付け用のスペースのことです。
もともとは食器や食料品をしまっておく貯蔵庫を意味する英語(pantry)ですが、飲食店では「配膳室」としての意味で使われます。
パントリーの主な仕事は、キッチンで調理された料理に最後のひと手間を加えたり、ドリンクやお通し、味噌汁などの提供物の準備です。
求人票では「パントリースタッフ募集」のように職種名として登場することも多く、その場合はこの配膳準備業務を担当するアルバイト・社員を指しています。
キッチンで仕上がった料理を、ホールが提供できる状態に整える役割だと考えるとわかりやすいです。

「パントリー=家の収納」との違いに注意

検索結果に住宅系の記事が並ぶのは、注文住宅やリフォームの世界でもパントリーという言葉が定着しているためです。
この場合のパントリーはキッチンに隣接した食品庫・収納スペースを指し、レトルト食品や調味料のストック、まとめ買いした日用品などを収納する場所のことです。
同じ語源から派生した言葉ですが、住宅のパントリーは「モノをしまう場所」、飲食店のパントリーは「作業をする場所やその担当者」を指します。
このように意味が異なるため、飲食店の求人について調べていても、住宅関連の記事が表示されることがあります。
この記事で扱うのは、あくまで飲食店の職種としてのパントリーです。

デシャップ・ホールとの違い

パントリーと最も混同されやすいのが「デシャップ」です。
デシャップは英語のdish upが語源で、完成した料理をキッチンからホールスタッフへ受け渡す出し口を指します。
オーダーの通し漏れの確認や提供順のコントロールなど、キッチンとホールをつなぐ司令塔的な役割を担います。
一方、パントリーは、料理を完成させるための補助的な作業スペースという位置づけです。
ホールは客席での接客・オーダー取り・配膳が中心で、お客様と直接向き合う仕事です。
ただし、小規模な居酒屋では3つの役割を厳密に分けず、同じスタッフが兼務することも珍しくありません。
なおホテル業界では客室階のリネン庫や飲み物の準備室を、イベント業界ではケータリングの仕込み場所をパントリーと呼ぶこともあります。

居酒屋・飲食店のパントリースタッフの仕事内容

パントリースタッフの仕事は、料理の最終仕上げ、ドリンクや小鉢の準備、食器類の管理という3つが柱になります。
それぞれの仕事内容を解説します。

料理の盛り付け・仕上げ作業

キッチンで火を入れた料理を受け取り、提供できる状態まで仕上げるのがパントリーの役割です。
居酒屋であれば、焼き魚に大根おろしとすだちを添える、揚げ物にレモンとソースを付ける、丼ものに刻みネギや鰹節をかける、などの作業を指します。
盛り付けの位置や量は店舗ごとにマニュアル化されていることが多く、写真つきの手順書を見ながら覚えていきます。
同時に、盛り付けの乱れや異物の有無、提供温度の最終チェックを行うのも、このポジションの役目です。
料理の見た目や提供前の状態を確認するため、正確さと手際のよさが求められる仕事です。

ドリンク・お通し・味噌汁などの準備

料理以外の提供物を用意するのもパントリーの仕事です。
居酒屋では、来店直後に出すお通しの盛り付け、グラスへの氷入れやドリンクの注ぎ分け、締めのご飯・味噌汁・漬物の用意などがあります。
店舗によっては、ソフトドリンクやサワー類の準備をパントリーが兼ねることもあります。
これらは1品ごとの作業は単純でも、注文が重なる時間帯には何種類も並行して進めなければなりません。
お通しは来店人数に合わせてすぐに提供する必要があるため、席数の多い居酒屋では事前に盛り付けておくなどの準備も大切です。

食器・グラスの管理と補充

意外と手間がかかるのが、食器やグラス、箸、カトラリー、おしぼりなどの備品の管理です。
洗い場から上がってきた食器を拭き上げて所定の位置に戻し、営業中に不足しないよう、在庫を確認しながら補充します。
グラスに拭き跡や水滴が残っているとお客様の目に直接触れるため、丁寧さが問われる作業でもあります。
洗い場とパントリーが隣接している店舗では、洗浄そのものを兼務するケースも少なくありません。
地味に見える作業ですが、ここが滞ると提供全体が止まってしまうため、店の回転を支える土台となる仕事です。

パントリーの仕事はきつい?大変なポイント

「パントリーはきつい」という声もあります。
実際にどこが大変なのかを解説します。

忙しい時間帯は業務量が多く常に追われる

パントリーが特に大変なのは、ピークタイムです。
居酒屋なら金曜の夜、19時から21時ごろに来店と注文が集中し、盛り付け、ドリンク、お通し、食器の補充などを同時に進める必要があります。
キッチンから次々と料理が上がり、ホールからは提供先の確認も入ります。
その間、パントリーでは複数の作業を並行して進めるため、休む間もないと感じることがあります。
一方で、優先順位を組み立てられるようになると、忙しい時間帯でも落ち着いて対応しやすいです。
慣れている人は、作業の優先順位を考えながら進めています。

立ち仕事・温度差などの体力的な負担

パントリーは基本的に立ちっぱなしの仕事です。
勤務中はほぼ同じ場所で立ち続けることも多いため、慣れるまでは足や腰に負担を感じます。
加えて、コンロやフライヤーの熱が届く一方、冷蔵庫やビールサーバー、洗い場の周辺は冷えやすく、場所によって温度差があります。
夏場は厨房内の温度が上がりやすく、意識して水分を取らないと体調を崩しかねません。
滑りにくいコックシューズを選ぶ、クッション性のあるインソールを入れる、休憩時に足を上げるなどの対策で負担は軽くなります。
体力面に不安があるなら、応募時に1日の勤務時間や休憩の取り方を確認しておくとよいです。

覚えることが多く最初は戸惑いやすい

パントリーで最初につまずきやすいのが、覚える量の多さです。
メニュー名と盛り付けの型、食器の種類と置き場所、薬味や調味料の位置、ドリンクのレシピと、覚えることが一度に増えるため、最初は戸惑うかもしれません。
特に居酒屋はメニュー数が多く、季節限定品も入れ替わるため、最初の数週間は手が止まりがちです。
とはいえ、これらは仕事を繰り返すうちに身につきます。
慣れるまでの期間には個人差がありますが、焦らず、まずは出数の多い定番メニューから覚えるとよいです。

パントリーはどんな人に向いている?未経験でもできる?

パントリーは、飲食店の中でも未経験から始めやすいポジションです。
適性と将来性の両面を解説します。

未経験・バイトデビューでも始めやすい理由

包丁を握って調理を担当するわけではなく、決められた手順で盛り付けと準備を進めるのが中心のため、調理経験がなくても始められます。
作業内容がマニュアル化されている店舗も多く、未経験でも手順に沿って仕事を覚えられます。
ホールのようにお客様と長く会話する場面が少ないので、接客に苦手意識がある人でも取り組みやすいです。

向いている人の特徴(几帳面・マルチタスクが得意など)

向いているのは、まず段取りを考えるのが苦にならない人です。
複数の作業を並行させる場面が多いため、「今これをやっている間に、あれを温めておこう」と先を読んで動ける人に向いています。
次に、細かい作業を丁寧にこなせる几帳面さを持つ人です。
盛り付けの位置やグラスの拭き上げなど、雑にやるとそのままお客様に伝わってしまいます。
加えて、在庫や配置を整える整理整頓の意識、衛生面への配慮も必要です。
一方、お客様と積極的に話したい人や、体を大きく動かす仕事を求める人には、ホールのほうが合うかもしれません。
自分がどちらのタイプか、応募前に一度考えてみてください。

パントリーからキャリアアップする道

パントリーは、店舗全体の流れを把握しやすいポジションです。
キッチンの進捗とホールの状況を把握しながら動くため、経験を積むうちに店舗オペレーション全体への理解が深まります。
その後は、調理補助やホールリーダー、社員・店長候補などを目指すことも可能です。
チェーン店では、パントリーやホールでの勤務経験が、店長へのキャリアアップにつながる場合もあります。
将来自分の店を持ちたい人にとっても、料理が提供されるまでの流れを学べる仕事です。

居酒屋のパントリーによくある質問(FAQ)

居酒屋のパントリーでよくある質問と、その回答を紹介します。

パントリーとデシャップの違いは何ですか?

パントリーは料理の盛り付けや配膳準備を行う補助的な作業スペース、デシャップは完成した料理をキッチンからホールへ受け渡す出し口を指します。
デシャップにはオーダーの管理や提供順のコントロールなどの司令塔的な役割があるのに対し、パントリーは料理を完成させる工程を担うという違いです。
ただし店舗によっては両者を明確に区別せず、どちらか一方の呼び名で厨房脇の作業スペース全体を指す場合もあります。
応募先での使われ方は、面接時に確認しておくと安心です。

パントリーのバイトはきついですか?

繁忙時間帯は仕事量が多く、忙しいと感じる場面はあります。
ただし「きつさ」は店舗の規模や席数、ピークの長さによって変わります。
席数の少ない小規模店や、ランチ中心の業態であれば負担は少ないです。
また、仕事そのものは繰り返すうちに慣れていきます。
慣れるまでの期間には個人差がありますが、経験を積むことで、同じ量の仕事でも余裕を持って対応しやすくなります。
不安な場合は、応募時に「1日の来店ピークはいつか」「その時間帯は何人体制か」を聞いておくと、想像がしやすいです。

パントリーは飲食店の収納スペースという意味もありますか?

あります。
パントリーの語源はもともと食器や食料品をしまう貯蔵庫であり、飲食店でも「食器・食材のストックルーム」を指してこの言葉を使う場合があります。
ただし、飲食店の求人票では、配膳・盛り付けスペースや、その業務を担当する職種の意味で使われる場合が多いです。
住宅で使われるキッチン横の収納としてのパントリーとは意味が異なるため、求人票では、具体的な仕事内容や担当範囲を確認してください。

パントリーの仕事を理解して自分に合った居酒屋を探そう

パントリーの仕事は、料理を盛り付けたり、食器を補充したりするだけの単純作業ではありません。
キッチンとホールの間で料理の仕上げや配膳準備を行い、スムーズな提供を支える重要な役割です。
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