飲食業界で年収交渉はできる?交渉をおこなうタイミングや実際に使える例文を解説

飲食業界で内定や条件提示を受けた際、提示された年収が希望より低くても、「交渉すると内定に影響するのでは」と不安に感じる場合があります。

一方で、根拠を示さずに希望額だけを伝えると、企業側との認識にずれが生じることもあります。

年収交渉では、基本給や固定残業代、賞与、役職手当などの条件を確認したうえで、希望額とその根拠を伝えることが大切です。

この記事では、飲食業界で年収交渉をする際のタイミングや根拠となる材料、進め方、面談・電話・メールで使える例文、交渉後の判断について解説します。

目次

飲食業界の年収交渉は条件を確認したうえで相談する

パソコンを前に話し合う飲食店の男女企業から提示された年収について、不明点を確認したり、これまでの経験や入社後に担当する役割をもとに相談したりすることは可能です。

ただし、希望額を伝えれば必ず条件が変更されるわけではありません。

企業の給与規定や採用予算、社内の給与体系などによっては、提示された条件のままとなる場合もあります。

年収交渉をする際は「生活費が上がったから」などの個人的な事情だけではなく、店長経験や担当してきた店舗の規模、売上・原価などの数値改善、人材育成の経験など、仕事に関係する実績を具体的に伝えます。

また、提示された条件に対する考えと入社意欲を明確にしておくことも大切です。

希望額に届かなければ辞退するのか、仕事内容や休日などほかの条件も含めて検討するのかによって、企業への伝え方も変わります。

飲食業界で年収交渉をするのは転職時がおすすめ

カフェで考える3人の飲食店スタッフ年収交渉は、伝える内容だけでなく、切り出すタイミングも重要です。

ここでは、年収交渉を行う際に検討したいタイミングについて解説します。

応募時は希望年収の記入欄を確認する

求人票や応募フォームに希望年収の記入欄がある場合は、指定された欄に記載しましょう。

現在の年収と希望年収を分けて記入できる場合は、それぞれの金額を具体的に記載します。

希望額について相談の余地がある場合は、「応相談」などと記載し、必要に応じて理由を添えます。

希望年収が求人に記載された給与条件を上回る場合は、応募前に想定されている役割や条件と合っているか確認しておくとよいです。

面接では担当する役割や業務内容を確認する

面接では、年収だけでなく、担当する業務の範囲や求められる役割、評価の基準なども確認します。

企業から希望年収を聞かれた場合は、現在の年収やこれまでの経験、応募先で担当する役割などを踏まえて希望額を伝えます。

たとえば、「現年収は○○円で、今回の役割を踏まえて○○円を希望しています。具体的な業務内容や条件も含めて相談できればと考えています」と伝えるのがおすすめです。

条件提示後・承諾前は年収を相談しやすい

内定後やオファー面談などで給与や待遇の具体的な条件が提示されてから、承諾するまでの間は、年収について相談しやすいタイミングです。

この段階では、基本給や固定残業代、賞与、手当などの内訳を確認できるため、希望する条件と異なる点があれば具体的に相談できます。

提示された条件を確認する時間が必要な場合は、回答期限を確認したうえで検討するとよいです。

承諾後の年収交渉は基本的に避ける

一度提示された条件に承諾した後は、同じ内容をもとに改めて年収交渉をすることは基本的に避けます。

基本給や固定残業代、賞与、手当などに確認したい点がある場合は、できるだけ承諾前に確認し、必要な交渉も済ませておくことが大切です。

ただし、承諾後に担当する役割や業務内容などが変更された場合は、その内容を確認したうえで企業へ相談しましょう。

飲食業界の年収は給与の内訳も確認する

木製の調理器具を持つ笑顔のスタッフ提示された月給には、固定残業代が含まれている場合があります。

基本給だけでなく、固定残業代の時間数と金額、超過分の扱い、役職手当、深夜手当、住宅手当、家族手当などの内訳を確認しましょう。

賞与については、支給回数だけでなく、算定の基準や前年度の支給実績、業績との連動、初回支給の条件なども確認します。

インセンティブ制度がある場合は、店舗売上や利益、個人目標など、どのような基準で算定されるのかを確認しておくことが大切です。

また、年収だけでなく、年間休日や想定される残業時間、勤務時間帯、転勤の有無、まかないや交通費なども比較します。

同じ年収でも、勤務時間や勤務地などの条件によって働き方は変わるため、給与以外の条件も含めて検討しましょう。

飲食店の年収交渉の前に確認しておきたい5つの項目

パソコンを持ちポイントを示す和装スタッフ年収交渉では、希望額だけでなく、現在の給与や求人票の条件、これまでの実績、入社後の役割などを確認しておくことが大切です。

ここでは、交渉前に確認しておきたい5つの項目を解説します。

1.現在の年収と給与内訳

年収交渉を始める前に、まずは源泉徴収票や給与明細などの書類を確認し、現在の年収や給与の内訳を正確に把握しておきましょう。

企業へ年収を伝える際は、手取り額ではなく、基本給や残業代、賞与なども含めた額面の金額で確認しておくことが大切です。

現在の年収を正確に把握できていない場合は、記憶や感覚で伝えるのではなく、必ず書類で確認してから企業に伝えるようにしましょう。

2.求人票に記載された給与の範囲

求人票に給与の幅が記載されている場合は、自分がこれまで積んできた経験や担当できる業務が、そのうちどの水準に当てはまるのかを確認しておく必要があります。

店長や料理長としての経験、担当してきた店舗の規模、保有している資格、マネジメント経験などを整理し、それらを踏まえたうえで希望する給与額を企業に相談しましょう。

単に希望額を伝えるだけでなく、その根拠となる経験をあわせて示すことで、企業側にも納得してもらいやすくなります。

3.応募先の業務に関連する実績

売上や原価率、廃棄ロス、客単価、人材育成、新店の立ち上げ経験など、応募先の業務内容と関連する実績があれば、年収交渉の場で具体的に伝えましょう。

実績を示すことで、希望額に見合うだけの価値を発揮できる人材であることを、企業側に理解してもらいやすくなります。

ただし、実績を提示する際は自分が把握している範囲にとどめ、勤務先の機密情報にあたるような内容は口にしないよう十分注意が必要です。

4.入社後に担当する役割

面接を通じて、求人票に記載されていた内容よりも実際の担当範囲が広いことが分かった場合は、あらためて提示された条件について確認し直すことが大切です。

複数店舗の管理や採用業務、シフト作成、人事評価といった役割まで任される場合は、業務内容や役職の変更点を確認したうえで、それに見合う給与についても相談するとよいでしょう。

担当範囲が広がるにもかかわらず条件が変わらない場合は、その点を率直に伝えて相談する姿勢も大切です。

5.他社から提示されている条件

他社からすでに内定や条件提示を受けている場合は、現在提示されている年収の水準や、回答までの期限などを踏まえて、応募先へ相談することもひとつの方法です。

ただし、実際に提示されている内容だけを正確に伝え、存在しない内定や実際とは異なる金額を伝えることは避けなければなりません。

他社の社名や詳細な条件まで細かく伝える必要はなく、回答期限や希望する条件との差を中心に、必要な範囲で簡潔に伝えるとよいでしょう。

飲食業界で年収交渉を進める4つのステップ

4本の指を立てて説明する飲食店スタッフ年収交渉では、希望額を伝える前に確認しておきたいことがあります。

ここでは、飲食業界で年収交渉を進める流れを4つのステップに分けて解説します。

1.提示された条件の内容を確認する

企業から提示された書面を確認し、月給の内訳や賞与、各種手当、勤務時間、休日、試用期間などを確認します。

不明な点がある場合は、年収交渉に入る前に企業へ確認し、提示されている条件を正しく理解しておくことが大切です。

2.希望する条件と優先順位を決める

希望する年収だけでなく、どの条件までなら受け入れられるか、希望に届かなかった場合に優先したい条件は何かを決めておきます。

たとえば、基本給、休日、勤務地、役職などのなかから、自分が優先したい条件の順番を決めます。

3.希望する理由と入社意欲を伝える

年収交渉では、入社したい意思を伝えたうえで、これまでの実績や入社後に担当する役割を踏まえて希望額を伝えます。

確認したい条件が複数ある場合は、後から追加するのではなく、できるだけまとめて伝えるとよいです。

4.最終的な条件を書面で確認する

企業から回答を受けたら、変更後の基本給や手当、賞与などの条件を確認します。

口頭で説明を受けた内容も含め、最終的な労働条件は書面で確認してから承諾することが大切です。

飲食業界の年収交渉で使える面談・電話・メールの例文

カウンターで笑顔を見せるカフェスタッフ年収交渉では、伝える方法に合わせて希望する条件や理由を伝えることが大切です。

ここでは、面談・電話・メールで年収交渉をする際に使える例文を紹介します。

オファー面談で年収交渉をする場合

オファー面談では、提示された条件へのお礼を伝えたうえで、希望額とその理由、これまでの経験を簡潔に伝えます。

「詳細な条件をご提示いただき、ありがとうございます。担当予定の店舗規模や、店長として売上管理・採用・育成を担当する点を踏まえ、年収○○万円についてご相談することは可能ですか。前職では○名の育成や原価管理を担当しており、入社後もこれまでの経験を活かしたいと考えています。」

上記のように、希望額だけを伝えるのではなく、担当する業務やこれまでの実績と合わせて伝えると、相談したい理由が伝わりやすくなります。

電話で年収交渉をする場合

電話では、まず提示された条件の内容を確認し、そのうえで年収について相談したいことを伝えます。

「提示いただいた条件について確認したい点があります。月給には固定残業代○時間分が含まれているという認識で合っていますか。そのうえで、これまでの経験を踏まえて基本給についてご相談することは可能ですか。詳しい内容はメールでもお送りします。」

電話では内容を簡潔に伝え、実績や希望する理由など詳しい内容は、必要に応じてメールで補足するとよいです。

メールで年収交渉をする場合

メールでは、内定や条件提示へのお礼を伝えたうえで、希望する年収とその理由を簡潔に記載します。

件名:ご提示いただいた労働条件に関するご相談

株式会社○○

採用ご担当者様

このたびは、内定ならびに労働条件をご提示いただき、誠にありがとうございます。

業務内容や入社後に担当する役割について伺い、入社を前向きに検討しております。

恐れ入りますが、年収についてご相談がございます。前職での店長経験や○名のスタッフ育成、原価管理の実績、今回担当予定の業務内容を踏まえ、年収○○万円についてご検討いただくことは可能ですか。

ご確認のうえ、ご回答いただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

このように、金額や実績は、実際の経験や提示されている条件に合わせて変更します。説明が長くなる場合は、メールですべて伝えようとせず、面談や電話で相談できるか確認するとよいです。

転職エージェントを通して年収交渉をする方法

面談で担当者と笑顔で話す応募者転職エージェントを通して応募している場合は、企業へ直接連絡する前に担当者へ相談しましょう。

現在の年収や希望する年収、優先したい条件、これまでの実績、他社の回答期限などを伝え、どのような条件を希望しているのか伝えておきます。

担当者が応募先の給与条件や過去の採用事例を把握している場合もあり、希望する年収が実現できる可能性や、交渉の進め方について相談できます。

ただし、交渉を依頼したからといって、必ず年収が上がるわけではありません。

また、担当者へ伝えた希望と企業へ伝わっている内容に違いがないか確認し、最終的な条件は自分でも確認することが大切です。

交渉を依頼する際は、「できるだけ年収を上げてほしい」と伝えるだけでなく、「基本給を優先して年収○○万円を希望しています。難しい場合は、休日や入社後の昇給時期について確認したいです」など、希望する条件を具体的に伝えるとよいです。

飲食業界の年収交渉で避けたい行動

調理器具を交差させて注意を示す調理スタッフ年収交渉では、現在の年収や他社から提示されている条件について、事実と異なる内容を伝えないようにします。

また、希望額を受け入れるよう強く求めたり、企業側の都合を確認せず回答期限を一方的に指定したりすることも避けたほうがよいです。

求人票に記載された給与の上限額を希望する場合も、金額だけを伝えるのではなく、自分の経験や担当予定の業務を踏まえて相談しましょう。

年収交渉は、希望を一方的に通すためではなく、入社前に双方の条件を確認する機会として進めることが大切です。

年収交渉をすると内定を取り消される?

飲食店で顎に手を添えて考える男女年収について確認や相談をしただけで、必ず内定が取り消されるわけではありません。

採用内定によって労働契約が成立したと認められる場合、企業が内定を自由に取り消すことはできません。

ただし、交渉の伝え方によっては企業との関係性に影響する場合があります。強引な要求や一方的な主張は避け、根拠を示しながら丁寧に交渉することが大切です。

年収交渉をする際は、希望額だけを伝えるのではなく、求人票に記載された給与や担当予定の業務、これまでの経験などを踏まえて相談しましょう。

内定取消しについて不安がある場合は、転職エージェントのほか、労働局などの公的な相談窓口へ確認するとよいです。

希望する年収に届かなかったときはどうする?

店内で腕を組み悩む男性スタッフ希望する年収に届かなかった場合は、まず提示額が変わらない理由を確認します。

給与制度や経験、役職に就く時期、試用期間中の条件などが理由として示された場合は、入社後に給与が変わる可能性や条件を確認します。

定期的な見直しが規定されているなどの場合は、見直しの時期や評価の基準、給与変更の条件について確認しておくことが大切です。

基本給の変更が難しい場合でも、役職や休日、勤務地、各種手当など、ほかの条件について相談できる場合があります。

ただし、提示された条件が自分の希望と大きく異なる場合は、入社意欲だけで承諾せず、仕事内容や今後のキャリア、年収、勤務時間、生活への影響などを踏まえて検討しましょう。

交渉後の条件に納得できない場合は、辞退することも選択肢のひとつです。

飲食業界の年収交渉は条件を確認して承諾前に相談しよう

キッチンで今後について考える女性飲食業界で年収交渉をする際は、提示された給与の内訳を確認し、経験や入社後の役割をもとに希望条件を伝えることが大切です。

条件について相談する場合は、内定を承諾する前に希望額や優先順位を確認し、最終的な労働条件を書面で確認しましょう。

希望年収に届かない場合は、提示額の理由や入社後の昇給条件を確認してみてください。

それでも希望する条件と合わない場合は、ほかの求人と仕事内容や労働条件を比較するのもひとつの選択肢です。

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