飲食店のバイトでは、仕事に慣れていないことやミス、連絡不足などが原因で注意されることがあります。
一方で、毎日のように怒鳴られる、人格を否定されるなどの言動は、仕事上の注意の範囲を超えている場合があり、状況によってはパワハラに該当することもあります。
怒られる原因が自分にあるのか、職場の指導方法や環境に問題があるのかを分けて考えることが大切です。
忙しい時間帯に注意され、頭が真っ白になったまま閉店まで動き続けた日は、帰り道でも言われた一言が頭から離れません。
その一言は、本当に自分が悪かったから出たものなのでしょうか。
この記事では、飲食店のバイトで怒られる主な理由や対処法、指導とパワハラの見分け方、相談先、辞める目安を解説します。
飲食店のバイトで怒られる主な理由

飲食店のバイトで注意される主な理由には、ミスや報告・連絡の遅れ、店舗のルールを守れていないことなどがあります。
どのような場面で注意を受けやすいのか、主な4つの理由を解説します。
オーダーや提供、調理、予約でミスをしたとき
オーダーの聞き間違い、違うテーブルへの提供、調理手順の間違い、予約日時の確認漏れなどは、注意される原因です。
注文や予約を間違えると、料理の作り直しや案内のやり直しが必要になり、お客様を待たせたり、周囲のスタッフの作業に影響したりします。
自分だけでなく、お客様やほかのスタッフにも影響が及ぶため、注意されやすいミスのひとつです。
とくに注文が重なる時間帯は、店側にも余裕がなく、言葉が強くなりやすいのが実情です。
ただし、強い言い方と不当な言動は別物です。
報告や連絡が遅れたとき
報告や連絡の遅れも、注意される理由のひとつです。
遅刻や欠勤の連絡が遅れると、シフトの調整や代わりのスタッフの手配が必要になり、店舗の業務に影響する場合があります。
また、ミスを報告せずに時間がたつと、お客様への対応が遅れたり、ほかのスタッフが追加で対応したりする必要があるため、多くの人に迷惑がかかってしまいます。
遅れそうだとわかった時点で連絡できれば、店の負担は大きく減ります。
電話をかけにくくても、早く伝えることが信頼を守るうえで重要です。
店のルールや手順を守らなかったとき
店舗で決められた盛り付け量や調理手順、接客方法を自己判断で変えると、注意されます。
たとえば、盛り付け量を変えると原価に影響するほか、お客様によって受けるサービスに差が出る場合があります。
また、スタッフごとに異なる対応をすると、店舗全体でサービスの内容をそろえられません。
店舗のルールや手順には、一律のサービスを提供するための理由があります。
「こうしたほうが早い」と思いついても、まずは決められたとおりに作りましょう。
改善案があれば、店長や先輩に相談してから試すのが安全です。
あいさつや身だしなみ、態度を注意されたとき
あいさつや言葉づかい、身だしなみといった態度面も、注意されやすいポイントです。
仕事の出来とは別に、「感じが悪い」と受け取られると、小さなことでも指摘が増えます。
たとえば、出勤時のあいさつが小さい、お客様の前で私語が続く、休憩明けにスマホを触りながら持ち場へ戻る、などの場面です。
本人に悪気がなくても、お客様や周囲のスタッフには気が抜けているように見えてしまいます。
髪型や爪、制服の乱れなど、清潔感にかかわる注意は、飲食店では特に重く見られます。
言われたその日や翌日に直して、評価を取り戻しましょう。
怒られたときの対処法とミスを減らす工夫

怒られたときは、指摘された内容を確認し、必要な謝罪や報告をしましょう。
その後は、ミスの原因を振り返り、同じことを繰り返さないための対策を考えます。
怒られたときは内容を確認して必要な報告をする
ミスをして怒られたときは、まず何を指摘されたのかを確認して謝罪します。
返し方ひとつで、その後の空気は変わります。
「でも、さっきは〇〇と言われたので」と言い訳から入ると、相手の声はさらに強くなりがちです。
まずは「申し訳ありません。〇〇ですね、すぐ直します」と、指摘の中身を繰り返して受け止めましょう。
言い分があるなら、その場が落ち着いたあとに伝えれば十分です。
お客様への対応や料理の作り直しが必要な場合は、その場で店長や責任者へ報告しましょう。
対応方法がわからないまま進めると、別のミスにつながる可能性があるため、指示を受けてから対応します。
指摘された理由など、緊急性のない疑問は業務が落ち着いてから店長や先輩に確認してください。安全やその場の対応に関わる手順がわからない場合は、作業を進める前に確認しましょう。
同じミスを繰り返さないために復唱やメモ、確認を取り入れる
同じミスを防ぐには、何が原因だったのかを振り返り、自分に合った対策を取り入れることが大切です。
オーダーの聞き間違いが多いときは復唱し、料理の提供先を間違えたときは伝票を確認してから運びましょう。
教わった手順を忘れてしまうときはメモを取り、次の勤務前に見返しておく方法もあります。
忙しくて対応が追いつかないときは、一人で抱え込まず、早めに店長や先輩へ相談してください。
落ち込みを引きずらず次の勤務に切り替える
怒られた日の気持ちは、その日のうちに整理して、次の勤務へ持ち越さないのがコツです。
帰宅したら、言われた内容を「直せること」と「聞き流してよいこと」に分けて、メモに書き出してみてください。
直せることだけを次の行動に落とし込めば、同じ場面で慌てる回数は減っていきます。
一方で、人格に触れるような言葉まで、自分の欠点として背負い込む必要はありません。
それは仕事のミスとは、切り離して考えるべきことです。
飲食店のバイトで怒られたときの指導とパワハラの見分け方

怒られたときは、仕事上必要な指導なのか、行き過ぎた言動なのかを確認しましょう。
指導とパワハラを見分けるポイントや注意したい言動、困ったときの相談先を解説します。
パワハラの3つの要素と6つの代表的な言動
厚生労働省では、職場のパワハラを、優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、労働者の就業環境が害される言動の3つをすべて満たすものとしています。
また、代表的な言動として、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害の6つが示されています。
実際にパワハラにあたるかは、言動の内容や状況などを踏まえた判断が必要です。
対象には正社員だけでなく、パートやアルバイトも含まれます。
アルバイトでパワハラにあたる可能性がある言動
人前で大声で怒鳴る、人格を否定する発言を繰り返す、必要な情報を与えず仕事から外すなどの言動は、状況によってパワハラにあたる可能性があります。
飲食店では、こんな場面が起こりがちです。
忙しい時間帯にお客様にも聞こえる場所で怒鳴られたり、希望していないシフトを入れられたり、理由の説明がないままシフトを減らされたりなどです。
こうした言動や行動は、状況によってはパワハラにあたる可能性があり、ミスの指摘とは分けて考える必要があります。
一方、ミスや遅刻について理由を伝え、改善するよう注意することは、仕事上の指導として必要な場合もあります。
パワハラかどうかは、言動の内容だけでなく、繰り返されているか、働く環境にどのような影響が出ているかなども含めて判断しましょう。
判断に迷ったときは、「何について言われているか」「どこで言われているか」「何度言われているか」の3点を確認します。
ミスの内容に絞って、周囲に聞こえない場所で、必要な回数だけ伝えられているなら、指導の範囲に収まりやすくなります。
反対に、ミスと関係のない人格への言葉、人前での大声、繰り返しの叱責が重なるほど、行き過ぎた言動の可能性は高まります。
気になる言動が続く場合は、日時や内容などを記録しておきましょう。
怒鳴るなどの言動が続くときの相談先
怒鳴られる、人格を否定されるなどの言動が続く場合は、日時や場所、言われた内容、周囲にいた人などを記録しておきましょう。
相手本人に相談しづらいときは、店長や本部、人事部門、社内の相談窓口などに状況を伝えます。
事業主には、パワハラに関する相談に対応する体制の整備が義務づけられています。
社内で相談しにくい場合や対応されない場合は、無料で利用できる総合労働相談コーナーへの相談も検討してください。
夜間や土日・祝日に労働条件について相談したい場合は、労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)も利用できます。受付時間は平日17:00〜22:00、土日・祝日9:00〜21:00です(年末年始を除く)。
飲食店のバイトを辞める目安

バイトを辞めるか迷ったときは、怒られている理由だけでなく、相談後に状況が変わるか、心や体に負担が出ていないかも確認しましょう。
退職を考える目安と、辞めると決めたあとの伝え方や手続きを解説します。
辞めるか迷ったときに確認したいこと
指摘の内容が具体的で、改善方法がわかり、周囲から必要なフォローを受けられる場合は、まずは対策を試してみるのもひとつの方法です。
辞める前に、シフトの時間帯や担当ポジションの変更、チェーン店なら別店舗への異動を相談する方法もあります。
相手との相性が原因なら、環境を少し変えるだけで楽になることもあるからです。
ただし、相談しても動きがない場合は、それ自体が判断材料になります。
一方、次のような状況が続いている場合は、退職や職場変更も検討しましょう。
- 人格を否定する言動が続いている
- 相談しても職場環境や指導方法が改善されない
- 睡眠や気分など心身に影響が出ている
心身への影響が続いている場合は、仕事を続けることだけを優先せず、職場内外への相談や退職も含めて考えましょう。
辞めると決めたときの伝え方と手続き
辞めると決めたら、まず店長や責任者に退職したいことを伝えます。
理由を詳しく話したくない場合は、「一身上の都合」と簡潔に伝えても問題ありません。
切り出すときは、「お忙しいところ申し訳ありません。今月末で辞めたいと考えているのですが、少しお時間をいただけますか」と、先に時間をもらう言い方がおすすめです。
忙しい時間帯を避けるだけでも、話は落ち着いて進みます。
口頭だけでは不安な場合は、メールなどを使って退職の意思を伝えた記録を残しておきましょう。
希望する退職日を決めるときは、労働条件通知書や雇用契約書、就業規則で、契約期間と退職手続きを確認してください。
期間の定めがない労働契約では、原則として退職を申し出てから2週間で契約が終了します。
しかし、就業規則に手続きが定められている場合もあるため、あわせて確認しましょう。
契約期間が決まっている場合は扱いが異なるため、わからないときは勤務先や総合労働相談コーナーなどへ相談してください。
飲食店で怒られたときは原因を確認して対処しよう

飲食店のバイトで怒られたときは、ミスや報告の遅れなど、自分で改善できる原因があるのか、怒鳴る、人格を否定するなど指導の範囲を超えた言動なのか確認します。
自分のミスが原因の場合は、オーダーを復唱する、伝票を確認する、教わった内容をメモするなど、同じミスを繰り返さないための対策を試しましょう。
指摘された理由など、緊急性のない疑問は業務が落ち着いた時間に確認し、安全やその場の対応に関わる疑問は作業を進める前に店長や先輩へ確認してください。
自分で対策しても怒鳴る、人格を否定するなどの言動が続く場合や、相談しても職場環境が改善しない場合は、現在の職場が自分に合っていない可能性があります。
怒られた日の悔しさは、原因を切り分けるきっかけにもなります。
直せることは直し、おかしいと感じたことは相談するという順番を守れば、むやみに自分を責めずに済みます。
それでも状況が変わらないなら、辞めると決める前に、ほかの職場でどんな働き方ができるのかを知るだけでも、気持ちは軽くなります。
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