飲食店の立ち仕事で足が痛い原因は?仕事中の対処法や受診の目安を解説

飲食店の立ち仕事では、長時間同じ姿勢を続けたり、硬い床の上を歩き回ったりするため、足裏やふくらはぎに痛みが出る場合があります。

特に、忙しい時間帯は足を休める余裕がなく、仕事が終わるころには足のだるさやむくみを感じる方もいるかもしれません。

足の痛みには、立ち仕事による筋肉の疲労だけでなく、靴のサイズや立ち方、職場の環境など、さまざまな要因が関係しています。

仕事中の動き方や帰宅後のケアで負担を軽減できる場合もありますが、痛みが続いたり日常生活に支障が出たりする場合は、医療機関への相談も必要です。

この記事では、飲食店の立ち仕事で足が痛くなる原因や仕事中・帰宅後の対処法、靴の選び方、受診の目安を解説します。

飲食店の立ち仕事で足が痛くなる3つの原因

考え込む飲食店スタッフ

飲食店の立ち仕事による足の痛みには、血液の流れや足裏への負担、靴や姿勢などが関係しています。

複数の原因が重なっている場合もあるため、足が痛くなる主な3つの原因を解説します。

ふくらはぎの筋肉を動かす機会が減って血液が滞る

ふくらはぎの筋肉は、ポンプのように収縮と弛緩を繰り返し、足の静脈血を心臓へ戻す役割を担っています。

厨房では、調理台の前で仕込みを続けたり洗い場で長時間作業したりするなど、同じ場所に立ち続ける仕事も多いです。

こうした作業ではふくらはぎの筋肉を動かす機会が減るため、血液が足に滞ってむくみやだるさにつながる場合があります。

一方、ホールでは店内を歩き回る機会が多く、長時間の歩行によって足裏やふくらはぎの筋肉に疲労がたまります。

厨房でもホールでも、忙しい時間帯に十分な休憩を取れず、足の疲れが残ったまま働き続けることも、痛みにつながる要因のひとつです。

長時間の立ち仕事や硬い床が足裏に負担をかける

長時間の立ち仕事では、体重を支え続ける足裏の筋肉や足底腱膜に負担がかかる場合があります。

足裏にある土踏まずには、体重を支えたり、歩くときの衝撃を和らげたりする働きがあります。

特に、コンクリートやタイルなどの硬い床で長時間作業する場合は、足裏への負担が大きくなることもあるため、注意が必要です。

足裏への負担が続くと、かかとや土踏まずの周辺に痛みが出たり、足底腱膜炎につながる可能性もあります。

朝起きて歩き始めるときに足裏が痛む、休んでも痛みが改善しないなどの症状がある場合は、整形外科への相談を検討しましょう。

靴のサイズや立ち方によって足への負担が増える

靴のサイズや形状が足に合っていないと、足の一部に負担が集中し、痛みにつながる場合があります。

たとえば、靴が大きすぎると、歩くたびに靴の中で足が動いて足の指を踏ん張ってしまうことがあります。

一方、靴が小さすぎると、つま先や足の甲が圧迫され、痛みが出る原因にもなるため注意が必要です。

靴底が片側だけ極端にすり減っている場合も、靴の状態や歩き方を見直す際の参考になります。

また、靴だけでなく、普段の立ち方も足への負担に関係しています。

片足に体重をかけ続けたり、前かがみの姿勢で作業したりすると、足や腰の一部に負担が集中する場合があるため、同じ姿勢を長時間続けないようにしましょう。

飲食店の立ち仕事による足の痛みへの対処法

仕事のポイントを説明する飲食店スタッフ

飲食店では、忙しい時間帯に長時間立ち続けることもあり、足への負担を減らす工夫が必要です。

仕事中に同じ姿勢を続けないよう意識したり、靴のサイズや機能を見直したりすることで、負担を軽減できる場合があります。

足の痛みを和らげるために、仕事中に取り入れられる対処法を紹介します。

仕事の合間に足を動かして同じ姿勢を続けない

長時間同じ姿勢で立ち続ける場合は、仕事の合間にかかとの上げ下げや足首回しを取り入れてみましょう。

かかとをゆっくり上げ下げすると、ふくらはぎの筋肉が収縮して足の血液を心臓へ戻す働きを助けます。

厚生労働省の「深部静脈血栓症/肺塞栓症の予防Q&A」でも、長時間同じ姿勢を避けるための運動として、かかとの上げ下げや歩行が紹介されています。

また、片足に体重をかけ続けないよう意識し、作業の合間に足の位置を少し変えるなど、足への負担が偏らないようにするのも効果的です。

ただし、厨房の床が濡れている場合や熱い調理器具の近くでは、無理に足を動かさず、安全を優先してください。

足への負担を減らす靴やインソールを選ぶ

飲食店の立ち仕事では、足に合ったサイズで、かかとが安定し、滑りにくい靴選びが大切です。

特に厨房では、床が水や油で滑りやすくなる場合があるため、耐滑性を確認しましょう。

また、長時間の立ち仕事による足への負担を考え、クッション性も確認したいポイントです。

靴を選ぶ際は、つま先に適度な余裕があり、歩いたときにかかとが浮かないか、足の甲や指が圧迫されないかを確認します。

また、靴のクッション性や足裏の支えが足りない場合は、インソールを使用する方法もあります。

ただし、インソールを入れることで靴の中が狭くなり、かえって足が圧迫される場合もあるため、実際に履いて違和感がないか確認してください。

店舗で指定された靴がある場合は、滑りにくさなどの条件を守ったうえで、サイズの変更やインソールの使用が可能か責任者に相談しましょう。

着圧ソックスを取り入れる

長時間の立ち仕事で足のむくみやだるさが気になる場合は、着圧ソックスを使用する方法もあります。

着圧ソックスは、足に適度な圧力をかけることで静脈血の流れを助け、むくみを軽減する製品です。

ただし、圧力が強すぎたり、サイズが合っていなかったりすると、締め付けによって痛みや不快感が出る場合があります。

購入する際は、足首やふくらはぎのサイズを測り、商品のサイズ表や圧力の強さを確認しましょう。

日中用と就寝用では使用条件が異なるため、製品に記載された使用方法を守ってください。血行障害や心臓の病気、糖尿病などがある場合は、使用前に医師へ相談してください。

立ち仕事で足が痛いときの自宅でのセルフケア

膝を押さえる手元

飲食店で長時間立ち仕事をしたあとは、帰宅後も足のだるさやむくみが残る場合があります。

足の疲れを和らげるためには、無理のない範囲で体を休め、十分な睡眠を取ることも大切です。

帰宅後に取り入れられる2つのセルフケアを紹介します。

ぬるめの湯船や軽いマッサージで足の疲れを和らげる

立ち仕事で足に疲れを感じる場合は、帰宅後にぬるめの湯船に浸かって体を温めましょう。

入浴には血行を促す働きがあり、筋肉の緊張や疲労感を和らげる効果が期待できます。

また、足に強い痛みや腫れがなければ、ふくらはぎや足裏を手のひらで優しくさする程度のマッサージを取り入れてもよいです。

マッサージは強く揉まず、痛みを感じない程度の力でおこないましょう。

湯船に浸かる時間がない場合は、足湯などで足を温める方法もあります。

ただし、片足だけが急に腫れたり、強い痛みや赤みが出たりした場合は、入浴やマッサージで対処せず、速やかに医療機関を受診してください。

足を高くして十分な睡眠を取る

立ち仕事による足のむくみやだるさが気になる場合は、帰宅後にクッションなどを使って足を少し高くし、楽な姿勢で休みましょう。

足を高くすると、足にたまった血液や水分が戻りやすくなり、むくみの軽減につながる場合があります。

また、立ち仕事による疲れから回復するためには、十分な睡眠時間の確保も欠かせません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人に対して6時間以上を目安に、必要な睡眠時間を確保するよう推奨しています。

足の痛みが気になる場合は湿布を使用する方法もありますが、製品の使用上の注意を確認し、不明な点は薬剤師に相談してください。

立ち仕事での足の痛みで病院を受診する目安

話し合う飲食店スタッフ

飲食店の立ち仕事による足の痛みは、筋肉の疲労だけでなく、血管や神経などの病気が原因となっている場合もあります。

早急な受診が必要な症状や、痛みが続く場合の受診の目安を解説します。

片足だけの腫れ・赤み・強い痛みがある場合は早めに受診する

片足だけに急な腫れや赤み、痛みが出た場合は、深部静脈血栓症などの病気が隠れている可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

深部静脈血栓症とは、脚の深い部分にある静脈に血のかたまりができ、血液の流れが妨げられる病気です。

厚生労働省の「深部静脈血栓症/肺塞栓症の予防Q&A」でも、脚に赤みや腫れ、痛みなどが出た場合は、急いで医療機関を受診するよう案内しています。

さらに、脚にできた血のかたまりが肺の血管に詰まると、肺塞栓症を引き起こす危険があります。

突然の強い胸痛や呼吸困難、失神などが起きた場合は、119番に連絡して救急車を呼んでください。

足裏の痛み・しびれ・こむら返りが続く場合

朝起きて歩き始めるときに足裏が痛む、しびれが続く、こむら返りを繰り返すなどの症状がある場合は、足の疲労以外の原因も考えられます。

朝にかかとや足裏が痛む場合は足底腱膜炎、しびれが続く場合は神経の病気、脚の血管が浮き出てだるさを感じる場合は下肢静脈瘤などが関係している可能性があります。

ただし、症状だけで原因を特定することはできません。

足裏の痛みやしびれが続く場合は整形外科、血管の異常が疑われる場合は循環器内科や血管外科などを受診しましょう。

痛みが長引いている場合や、徐々に悪化している場合、歩行や仕事に支障が出ている場合は、早めの受診が必要です。

受診する際は、いつから痛むのか、どの部分に症状があるのか、仕事中と休憩中で痛みが変わるかなどを医師に伝えると、診察時に状況を説明しやすくなります。

立ち仕事で足の痛みが続く場合は業務分担や休憩方法を相談する

パソコンの前で相談するスタッフ

足の痛みが続く場合は、医療機関で原因を確認するとともに、職場の作業環境や業務分担も見直してみましょう。

長時間同じ場所に立ち続ける作業が多い場合は、ほかの業務と交代できないか、作業の合間に座って休める時間を確保できないかなど、改善できる点を確認してください。

労働安全衛生規則第615条では、持続的な立ち仕事に従事する労働者が、就業中にしばしば座れる機会がある場合、事業者に対して利用できるいすの設置を義務付けています。

ただし、作業中に座れるかどうかは、店舗の設備や仕事内容によって異なるため、まずは店長や責任者に相談しましょう。

足の痛みで仕事に支障が出ている場合は、「長時間洗い場に立っていると足裏が痛むため、途中で別の作業に交代できませんか」など、症状や負担の大きい作業を具体的に伝えてみてください。

また、十分な休憩が取れない状況が続いている場合は、勤務時間や休憩の実績を確認し、休憩の取り方などを相談する方法もあります。

店舗によって対応できる範囲は異なりますが、無理なく働き続けるためにも、現在の職場で改善できる点がないか確認しておきましょう。

飲食店の立ち仕事による足の痛みは原因に合った対策を講じよう

調理器具を持つ飲食店スタッフ

飲食店の立ち仕事で足が痛くなる原因には、長時間同じ姿勢で働くことや足裏への負担、靴のサイズや立ち方などがあります。

まずは、仕事中のどのような場面で痛みが出るのかを確認し、原因に合った対策を取り入れてみましょう。

長時間立ち続ける場合は、仕事の合間に足首を動かしたり、休憩中に座って足を休ませたりする方法があります。

痛みが続く場合や、しびれなどの症状がある場合は、医療機関への相談を検討しましょう。

特に、片足だけの急な腫れや強い痛みがある場合は、速やかな受診が必要です。

自分で対策しても足の痛みが改善しない場合は、店長や責任者に業務分担や休憩の取り方などを相談しましょう。

それでも改善が難しく、足の痛みで働き続けることに負担を感じている場合は、ほかの職場の働き方を調べてみるのもひとつの方法です。

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今の職場でできる対策を試しながら、必要に応じて自分に合った働き方を考えてみましょう。