飲食店で暇な時に取り組める仕事には、清掃や補充、仕込み、メニューの確認、販促の準備などがあります。
ピークが過ぎて店内が落ち着くと、次に何をすればよいか分からず、動き方に迷うこともあります。
ただし、暇な時間に任される仕事は店舗や担当業務によって異なるため、自己判断で作業を始めるのではなく、店のルールや責任者の指示の確認が大切です。
また、客数が少ない時間の過ごし方だけでなく、手待時間中の給料や早上がりの扱いが気になる方もいるでしょう。
この記事では、飲食店で暇な時にできる仕事やNG行動、やることが分からない時の聞き方、暇な時間の給料の扱い、暇な時間が多い職場を見直す目安を解説します。
飲食店の暇な時間はいつ?アイドルタイムと閑散期の違い

飲食店で客足が落ち着くタイミングには、1日の中で来店が少なくなる「アイドルタイム」と、一定の時期に客数が減りやすい「閑散期」があります。
アイドルタイムは、ランチとディナーの間など、来店が少なくなりやすい時間帯のことです。
ただし、客足が落ち着く時間帯は、店舗の業態や立地、曜日などによって異なります。
一方、閑散期は、季節や地域の行事などの影響で、一定期間客数が少なくなりやすい時期です。
また、天候や周辺施設の状況などによって、一時的に客数が少なくなる日もあります。
自分の店で客足が落ち着きやすい時間帯や時期を把握しておくと、暇になったときに何を優先するか考えやすくなります。
飲食店の暇な時にやること5選

暇な時間は、忙しい時に手が回らない仕事を片付けるチャンスです。
ただし、担当業務や優先する仕事は店舗によって異なるため、店のルールや責任者の指示を確認してから取りかかることが大切です。
飲食店で暇な時に取り組める主な仕事を5つ紹介します。
ピーク時に手が回りにくい場所の清掃・片付け
暇な時間には、普段の清掃で手が届きにくい場所や、ピーク時に後回しになりやすい場所を確認します。
トイレ、厨房の換気扇まわり、ゴミ置き場、調味料入れ、ドアノブやスイッチ類などを、店舗の清掃ルールに沿って清掃しましょう。
清掃が終わったら、業務に戻る前に手を洗い、必要に応じてどこまで作業したかを店長や先輩へ伝えてください。
「トイレとドアノブまで終わりました。次に何をすればよいですか」のように、終わった作業を伝えて次の指示を確認すれば、ほかのスタッフとも作業状況を共有できます。
店舗に清掃チェックリストがある場合は、完了した場所を記録しておくと、次に確認する場所も分かりやすくなります。
調味料やおしぼりなどの補充・備品チェック
補充や備品の確認も、暇な時間に取り組みやすい作業です。
調味料やおしぼり、割り箸、ストロー、メニューなどの残数を確認し、必要に応じて補充します。
店舗によっては、ドリンクバーの補充やカトラリー磨きなどを任される場合もあります。
忙しい時間帯に不足すると接客や提供に影響するため、客足が落ち着いているうちに確認しておくと安心です。
店舗で決められた補充の目安や保管場所を確認しておけば、必要なものを判断しやすくなります。
あらかじめ補充方法を把握しておくと、手が空いたときに店長や先輩へ毎回確認せず、自分で取りかかれる仕事も増えていきます。
仕込みや在庫、消費期限・賞味期限の確認
キッチンでは、暇な時間を仕込みや在庫の確認に使えます。
野菜のカットや下処理、ソースやタレの準備のほか、冷蔵庫内の在庫や消費期限・賞味期限の確認などがあります。
必要な仕込みをピーク前に済ませておくと、注文が入ったあとの作業を進めやすいです。
また、在庫や期限を確認しておけば、不足している食材や期限が近い食材にも気づきやすくなります。
ただし、仕込みは自己判断で始めず、仕込み表や在庫数を確認したうえで取りかかることが大切です。
何をどのくらい準備するか分からない場合は、店長や社員に確認してください。必要以上に仕込むと、食材を余分に使ってしまう場合があります。
ホール担当でも、ドリンク用の氷やカットフルーツの準備などを手伝える場合があります。
「ホールの補充は終わりました。ドリンク用の氷など、手伝える仕込みはありますか」のように、終わった作業を伝えて確認しましょう。
メニューの確認や接客・作業の練習
暇な時間は、メニューの内容を確認したり、接客や作業の流れを練習したりする時間にも使えます。
メニューの原材料や料理の特徴を確認しておけば、お客様から質問されたときにも対応しやすくなります。
ただし、アレルギーに関する質問は記憶だけで判断せず、店舗の資料を確認したり、責任者へ聞いたりして正確な情報を伝えることが大切です。
ホールでは、スタッフ同士で席への案内や注文の取り方など、接客の流れを練習しておきましょう。
キッチンでは、盛り付け方や作業の順番を確認し、わからない部分があれば店長や先輩に聞いておきます。
暇な時間にメニューや仕事の流れを確認しておけば、忙しい時間帯にも身につけた知識や手順を活かせます。
POPやSNS投稿など販促の準備
店舗によっては、暇な時間に手書きPOPやSNS投稿の下書き、チラシ案などの販促準備を任される場合があります。
メニューの説明文を見直したり、投稿に使う料理写真を選んだりするのも販促準備のひとつです。
ただし、販促業務は担当者が決まっている場合もあるため、自分の判断で始めず、事前に責任者へ確認してください。
「補充まで終わりました。POPの下書きを作ってもよいですか」のように、終わった作業を伝えたうえで、販促物の作成やSNS投稿の準備に取りかかってよいか確認しましょう。
飲食店で暇な時のNG行動

暇な時間でも、勤務中に自由に過ごしてよいわけではありません。
飲食店で暇な時に避けたい主な行動と、勤務中に意識したいことを紹介します。
スマホ・私語・無断飲食など私的な行動
勤務中に私用でスマホを操作したり、長く私語を続けたりすると、店長や先輩から注意される場合があります。
客席から見える場所では、お客様に仕事をしていないような印象を与える可能性もあるため注意が必要です。
また、許可なく店の食材を食べたり、私用で飲食したりするのも避けましょう。
スマホの確認や私的な飲食などが必要な場合は、店舗のルールを確認し、休憩時間におこなってください。
家族の事情などで勤務中にも連絡を確認する必要がある場合は、あらかじめ店長や責任者へ伝えておくと安心です。
ホールで立ち尽くす・座り込む・お客様を必要以上に気にする
暇な時間でも、ホールで立ち尽くしたり、バックヤードに座り込んだりするのは避けましょう。
ホールでは、空いたテーブルや補充が必要な備品、お客様からの呼びかけなど、店内の状況を確認しながら動く必要があります。
同じ場所にとどまっていると、こうした変化に気づきにくくなる場合があります。
一方で、やることがないからといって、お客様の様子を何度も確認する必要はありません。
食事中に何度もテーブルへ近づいたり、早いタイミングで皿を下げようとしたりすると、急かされているように感じるお客様もいます。
皿を下げる際は、食事が終わっているかを確認し、店舗の接客手順に沿って必要に応じて声をかけましょう。
客席全体の様子を確認しながら、水の追加や空いたテーブルの片付けなど、必要なタイミングで対応します。
お客様を必要以上に気にせず、声をかけられたときにすぐ対応できる状態を保つことが大切です。
飲食店で何をすればいいか分からない時の動き方と聞き方

ひと通り担当していた作業が終わっても次に何をすればよいか分からない場合は、店長や先輩に指示を確認します。
その際は、「担当していた作業は終わりました。次にやることはありますか」のように、終わった作業を伝えてから聞くと状況を共有しやすくなります。
「フロアを見ておいて」など指示が曖昧な場合は、「空いたテーブルの片付けや備品の確認をすればよいですか」のように、具体的な作業内容を確認しましょう。
同じような場面で毎回迷う場合は、手が空いたときに自分で進めてよい仕事や、優先する作業をあらかじめ店長に聞いておくとよいです。
自分で判断してよい範囲が分かっていれば、次に手が空いたときも動きやすくなります。
飲食店は暇な時間に給料が出る?手待時間・休憩・早上がりのルール

暇な時間の給与は、自由に業務から離れられる休憩なのか、来客などに備えて待機する手待時間なのかによって扱いが異なります。
厚生労働省の資料をもとに、手待時間と休憩の違いや、暇を理由に早上がりした場合の給与の扱いを解説します。
客待ちの「手待時間」は労働時間
客待ち中でも、来客時にすぐ対応するよう指示され、自由に業務から離れられない手待時間は労働時間に含まれます。
厚生労働省の解説では、休憩とは労働者が権利として労働から離れることを保障された時間であり、いつでも対応できるよう待機している手待時間は含まれません。
そのため、来客時に対応する必要がある状態では、客数が少なくても、その時間を休憩として扱うことはできません。
なお、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要です。
参考:厚生労働省|私の職場では、昼休みに電話や来客対応をする昼当番が月に2~3回ありますが、このような場合は勤務時間に含まれるのでしょうか。
暇を理由に早上がり・シフトカットされた場合
客数が少ないことを理由に、予定より早く帰るよう指示されたり、確定していたシフトを休みに変更されたりした場合は、休業手当の対象になる可能性があります。
労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由によって労働者を休業させた場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があると定められています。
1日の一部だけ休業した場合も、実際に働いた時間に対して支払われる賃金が平均賃金の60%を下回るときは、その差額の支払いが必要です。
「暇だから今日は帰って」と予定より早く退勤するよう指示された場合は、確定していたシフトと実際の退勤時刻を記録しておきましょう。
また、労働条件通知書や雇用契約書、シフト表、給与明細などを確認し、勤務時間や給与がどのように扱われているかを店長や給与担当者へ確認してください。
店舗へ確認しても解決しない場合や、休業手当の対象になるか判断できない場合は、労働基準監督署などの相談窓口へ問い合わせる方法があります。
暇すぎる飲食店で働き続けていい?今の職場を続けるか判断するポイント

暇な時間が多いからといって、すぐに職場を変える必要はありません。
シフトや収入への影響、任されている仕事や経験できる内容などをもとに、今の職場を続けるか判断するポイントと、次の職場を選ぶ際の確認事項を解説します。
暇な時間が多い職場で確認したいこと
暇な時間が続き、接客や調理を担当する機会が少ない場合は、身につけたい仕事を経験できないことがあります。
一方、手が空いた時間にも仕込みやメニュー確認などを任され、仕事を覚えられているのであれば、客足の少なさだけで職場を変える必要はありません。
シフトが予定より減る状態が続いている場合は、確定していたシフト表と実際の勤務時間、給与明細を確認し、収入への影響を把握しておきましょう。
担当業務では、入社時と比べて任される仕事が増えているか、自分が希望する接客や調理を経験できているかも確認します。
職場を変える前に店長へ相談する
シフトや仕事内容に不満があっても、すぐに辞めるのではなく、まずは店長や責任者へ相談してみてください。
その際は、「最近、予定より早く上がる日が続いています。今後も同じ状況が続きそうですか」のように、困っている状況と確認したいことを具体的に伝えます。
担当する仕事が少ないと感じる場合は、接客をもう少し経験したいなど、自分が希望する働き方も伝えてみましょう。
話した内容や店舗からの回答を踏まえて、今後も希望する勤務時間や仕事内容を確保できそうか考えてみてください。
それでも状況が変わらず、収入や経験に影響する状態が続く場合は、別の職場を検討する選択肢もあります。
バイト先・転職先を選ぶ時のチェックポイント
別の職場を探す場合は、仕事内容や勤務条件だけでなく、忙しい時間帯や手が空いた時の仕事も確認しておきましょう。
求人票では勤務日数や勤務時間、研修内容などを確認します。シフトの決め方や1回あたりの勤務時間などが記載されている場合は、あわせて確認しておくと安心です。
求人票だけでは分からない場合は、面接で「手が空いた時はどのような仕事をしますか」や「客数によって勤務時間が短くなることはありますか」など、実際の働き方を聞いてみてください。
店舗を見学できる場合は、客数が少ない時間にスタッフがどのような仕事をしているかを見るのも参考になります。
事前に勤務時間や暇な時の仕事を確認しておくと、入社後に想定していたより仕事が少ない、希望していた勤務時間を確保できないなどのズレを減らしやすくなります。
飲食店で暇な時は店のルールに沿ってできる仕事を進めよう

飲食店で暇な時は、清掃や補充、仕込み、メニューの確認など、忙しい時間帯に手が回りにくい仕事を進められます。
ただし、担当する仕事や暇な時間の過ごし方は店舗によって異なるため、自己判断で作業を始めず、店のルールや指示の確認が大切です。
何をすればよいか分からない場合は、「補充と清掃は終わりました。次に何をすればよいですか」のように、終わった作業を伝えたうえで店長や先輩へ確認しましょう。
客数が少ないことを理由に予定より早く帰るよう指示されることが続く場合は、シフト表や実際の退勤時刻を記録し、勤務時間や給与の扱いを店長や給与担当者へ確認してください。
また、暇な時間が多くても、希望する勤務時間を確保でき、仕込みや接客など必要な経験を積めているのであれば、客数の少なさだけで職場を変える必要はありません。
一方で、シフトが継続して減っている、担当できる仕事が増えず経験を積めないなどの状況が続き、店長へ相談しても改善しない場合は、別の職場を検討するのもひとつの選択肢です。
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